政府、定額減税発信に躍起 SNS向け動画を作成
政府が、6月に始めた所得税と住民税合わせて4万円の定額減税のPRに躍起になっている。給与明細に減税額の記載を義務付けたのに加え、特設サイトや動画を作成し、交流サイト(SNS)を中心に浸透を図る。可処分所得を増やす狙いだが、長引く物価高の中で国民が恩恵を実感できる保証はなく、政権浮揚につながるかどうか見通せない。 【表】定額減税のポイント 1人4万円、政権浮揚の思惑も
首相官邸が作成した約40秒の動画では、賃金・雇用担当の矢田稚子首相補佐官が「何もしなくても税金が減って手取りが増える」「1世帯4万円ではなく1人4万円なので、扶養家族が3人の4人世帯ならばなんと16万円減税される」とテロップ付きで紹介。官邸の特設ページでは、チャート図やモデル世帯を示して減税の仕組みを解説している。 ただ、動画には「その場しのぎ」「増税も説明してほしい」などの否定的なコメントが並ぶ。給与明細への記載義務付けに対しても「事務が煩雑で、現場の負担を増やしている」(立憲民主党の泉健太代表)との批判が相次いだ。